2009年06月23日

本当に視ていますか

本当に視ていますか

速読の基本の一つは集中力です。
その集中力は、目的意識によって支えられています。
速読インストラクターをしていて多くの生徒さんに接していると、速読がすぐに上達する人と
なかなか上達しない人との違いは、この目的意識と集中力の差であると実感します。
この集中力については別の機会にお話しさせていただきますね。

さて、今回の話題は、「視る(みる)」ということです。
私たちは外の情報を五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)によって知覚していますが、
その中の80パーセント以上を視覚に頼っています

どんな風にして視ているかというと、目に入った視覚情報は、網膜上で像を結ばせ、網
膜内にある受容細胞で光を受容し、その光情報を変容させてから視覚中枢(大脳皮質
の後頭葉にあります)に送ります。
その光のさまざまな情報を脳で画像処理をしてはじめて視たということになります。

つまり、私たちは目だけではものを見ることができず(光を
感知するだけ)、脳の中で情報を処理してものを見ている

のです。
文字通り目で見たままを視ているのではなく、脳内で情報を取捨選択し、再構成された
像を視ているのです。
だから同じものを視ても人によって注意の向け方が違うので、見え方が違うということが
起こります。たとえば、お友達が髪を切ってきたのに気づかない人とよく気がつく人がい
たり、毎日見ているはずのご自分の腕時計の文字盤のデザインを描くことができないと
いったことが起こります。(これは、時計は時刻を知る目的で見ているのでそのデザイン
を見てはいないためです)
また、錯視が起こったり、平面に描かれた図を立体視することができたり(3Dアート・ス
テレオグラムと呼ばれるもの)するのも脳で見ているためです。

ということは、自分の先入観や固定観念などによって視ていながら視えていないということ
が多々あることになります。

あなたは本当にものが視えていますか?


同じカテゴリー(速読)の記事画像
速読の秋
速読講座で待ってます
「朝速」しませんか
こんなことも
かしこい脳の使い方
夜ソクしませんか
同じカテゴリー(速読)の記事
 速読の秋 (2011-10-05 23:21)
 速読講座で待ってます (2011-01-06 22:21)
 「朝速」しませんか (2010-09-18 22:24)
 こんなことも (2010-08-17 22:24)
 かしこい脳の使い方 (2010-07-29 19:40)
 夜ソクしませんか (2010-06-18 20:06)

Posted by ShiN at 09:36│Comments(2)速読
この記事へのコメント
はじめまして

私は左目を手術して、中央が歪んで見えるのですが、
慣れると、歪んで見えているにもかかわらず、脳で処理され、
普通に文字が読めているので、意味がよくわかりました。
人のメカニズムはよくできていますね。
Posted by karadakarada at 2009年06月23日 12:02
karadaさん、はじめまして。
貴重な体験談、ありがとうございます。

本当に脳をはじめとする人間の力ってすごいですよね。

「視る」ということで言えば、ずっと視界の端で見えているはずの
自分の「鼻」を邪魔になるからと、ものを視るときに脳が消してい
るのも不思議といえば不思議ですよね。
Posted by ShiNShiN at 2009年06月23日 21:20
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。